うどん小話 その七十九 性格
うどんの"だし"を取ったり、麺を打つとき、その人の性格が"味"・"うどん玉"に現れてきます。
同じ水(水量・水質)を使い、昆布・いりこ・削り節などなどの分量もまったく同じにしても、出来る"だし"には違いがあるのです。麺を打った時も、うどん玉の切り口に性格が出てきます。
これは不思議なことですが事実です。
昆布・いりこ・削り節は年間の使用量がだいたい決まっていますから、同じ産地、同じ等級のものを、岡山市内にありますM商店さんにお願いして確保していただいております。
我々食べ物屋が一番気を付けなければならないのは、いつ食べても"味"が変わらないということです。
その為には小話七十七に登場しています、N自動車販売会社のH課長のような人が必要なのです。私の友人であり、正直(少々口は悪い)な人なので、時々、"だし"・"麺"の出来具合のチェックを入れてもらいます。(ほとんど毎日のごとく来店します。)
"だし"・"麺"を作る職人も正直。食材を納入してくれる問屋さんも正直。チェックするお客様も正直。みんなが正直者でなければ良い物は出来ません。
当店の"だし"を取っている池田君も少々へんこつですが真面目で正直者。もう三十年のベテランです。病気することもなく一日も仕事を休んだことがありません。源内の宝・・・・!!
どんな食べ物でも正直者が作ればその人の心が宿ります。