うどん小話 その七十 葱(パート4)
ネギ属は世界各地で、野菜・花・薬草として栽培されています。その内、野菜として栽培しているものは、ネギ・ニンニク・ラッキョウ・ニラ・アサツキ・ワケギなどがあります。
西洋では、主としてタマネギ・ニンニクが栽培され、食卓を飾っています。一方、ネギ・ラッキョウ・ニラ・アサツキは東洋独特の作物で、西洋人には馴染みの薄い野菜といえます。
このようにネギ属(類)でも西洋と東洋で使い分けをしています。
日本では関東と関西でネギの種類が違っています。まるで"うどん"と”ソバ"に合わせているようです。
これは土質の違いが関係しているようです。白い部分(軟白部)を長く育てるために、土寄せを多くしなければなりません。そうしますと土層が深く砂質で地下水位も高い所の方が作り易いのです。関東地方がこの条件に当てはまります。
これに対して、耕土が粘質で土寄せの難しい関西地方は、葉ネギを作る方が楽なのです。
まるで自然環境(神様)が"うどん"には細ネギ、"ソバ"には太ネギを使いなさいと言っているようです。
この環境(土質)の違いのほかに、"うどん"と"ソバ"の色の違いがあると思います。
小話二十六で書きましたが、"だし"の色が"うどん"には淡口醤油、"ソバ"には濃口醤油が合うのと同じように、「白いうどん」には「青いネギ」(細ネギ)、「黒いソバ」には「白いネギ」(太ネギ)が色彩感があって見た目にも美味しく感じられます。
「白いうどん」に「白いネギ」を上からかけたところを想像してみてください・・・・!!