うどん小話 番外編 その二十四 手打ちうどんと空手道
今年の8月に、K三兄弟が全国中学校空手道選手権大会で優勝して、早や3ヶ月になろうとしています。もう周りの景色はすっかり秋本番です。当店の庭も、シュメイ菊の白い花とツワブキの黄色い花とが、かわいらしさを競い合うように隣り合わせで咲いています。うどんの味が一段と冴えてくる時季ともなります。
そこで今日は、手打ちうどんと空手道との関連について書いてみます。
二年前に息子達に商売をバトンタッチをし、今は毎日ではありませんが昼どきのの繁忙時にうどんを打っています。日・祭日には5時間ぐらい立ちっぱなしで打つこともあります。こんなことが出来るのも、若い時からの空手道のおかげだと思っています。手打ちの作業は腕の力だけではできません。腰を中心とした運動となります。腰を中心とする力は"武道"全てに通じることでもあります。
手打ちの作業は、まず"うどん団子(2kg)"を打ち台に乗せ、掌手また熊手ともいいますが、手の平で団子を延していきます。この時に左手、右手と同数使い、頭の中では敵の顔面、しかも下顎に向かって突くイメージでやっております。と同時に膝を軽く上下に運動させますのでフットワークの練習になります。馴染みのお客様に「今日はなに怒っとんなぁ~」と心配されることがありますが、けっして怒っているわけではありません。トレーニング中なのです。
次に麺を切る作業ですが、これは集中力の練習にピッタリです。今までに3人の職人さんが指を切っています。そのうちの一人は二度切りました。よほど集中力の無い人だったのでしょうか・・・・?。カラオケは上手であったのですが・・・・。
麺切り包丁を打台に上げる時、時々ですが大きな声(気合)を出すことがあり、お客様がビックリします。これはイメージ・トレーニングをしているつもりがイメージになっていない時です。
まだまだ話は長くなりますので、今日はこのあたりで終りとします。次のページを引き続きお読みください。