うどん小話 その八十 和歌山
小話もやっと八十まできました。この縁起の良い数字に合わせて和歌山の話をいたします。
なぜ和歌山の話になったのかと申しますと、小話の小冊子(一話~六十話)が出来ましたので、学生時代の友人(K君)に郵送しましたところ、この冊子をK君のお母さんがお読みになり、先日手紙をいただいたのです。嬉しさと懐かしさで今日の小話八十となりました。
このK君のお母さんが和歌山県の出身なのです。K君は学生時代、少林寺拳法の達人で、現在は空手道(剛柔流)の師範をしています。現役で頑張っているのはK君と私ぐらい。他の仲間はゴルフ。もっとも二人ともゴルフの才能はありません。
学生時代にK君家(杉並区高円寺)に行きますと、何の気兼ねもなく"讃岐弁"で話が出来ました。それというのもお母さんが"和歌山弁"で会話をしてくれたからです。関西地方では"和歌山弁"の発音が"讃岐弁"に一番近いように思います。
四国八十八か所巡礼と、うどんに必要な醤油の発祥地が和歌山県だからかも知れません・・・・?和歌山の那智には古代より辺路(へんじ)信仰があり、巡礼では日本で一番古いといわれている西国三十三か所巡りの第一番札所が那智山に置かれています。四国遍路においても熊野信仰(熊野詣)の痕跡が如実に残っております。詳しいことはいずれ機会をみて小話に掲載いたします。
K君のお母さんが東京に来て六十年あまりになるのですが、だしは"うす味"、ネギも"白ネギ"より"青ネギ"、"ソバ"より"うどん"の方が好きなのです。やっぱり今でも関西人・・・・!!
小話を書き始めて気がついたのですが、関東と関西の食文化の違いの大きさにびっくりさせられます。弥生文化と縄文文化の比較論までさかのぼっていかなければなりません。"ソバ"と"うどん"の違いがこんなに大きなテーマになるとは思ってもいませんでした。このテーマは先の話に残しておきます。
取り敢えず次のページからは四大薬味(七味・ネギ・ショウガ・ゴマ)のうち七味とネギが終わりましたので、ショウガの話をしばらく連載していきます。
ちなみに"四大薬味"とは私が勝手に名付けました。