うどん小話 番外編 その五 新選組
今年の正月は、私の記憶するかぎり最も暖かくおだやかな日和でした。この日のように、日本の景気・イラク問題・BSE等食料品の問題などなどがすっきりと片付きますようにと神さまにお願いしました。
若い時は正月が楽しく、「も~う、いくつ寝るとお正月~」の歌が頭から離れることはなかったのに、いつの頃か、この歌は忘れてしまいました・・・・。
還暦を過ぎ、息子達にうどん屋をバトンタッチした今年の正月は「ほ~っ」とした気持と、「少々寂しい」気持と、新年の「喜び」の気持とが重なり合い渦を巻く、なんとも不思議な心境になっていました。
そこで、こんな時には読書にかぎると思い、元旦から「新選組始末記」(子母沢寛著:広済堂、880円)に再挑戦です。数十年前に読み、本棚の中に放り込んでいたものですから、表紙も紙面も黄ばみ、まるで古本屋で買ってきたみたいです。NHKの大河ドラマで「新選組」が放映されることもありましたが、混乱を極めた幕末に"誠"を信じて生きていた人達をもう一度見直してみたかったのです。
この「新選組始末記」の初版は昭和47年で、これも何かの縁でしょうか、私がうどん屋を開業したのも昭和47年でした。三十年余りも本箱の中から私をじっと見つめていてくれたことになります。この本のあとも数冊の「新選組」物を読みましたが、やはり子母沢寛が一番。(子母沢寛が「新選組始末記」の本を出したのは昭和3年のことで、その後の「新選組」物はこの本が元となっています。)
何年経っても良いものは良い。おもしろいものはおもしろい。自分もうどん屋も、そんなものになりたいと年頭にあたり祈念しました。
さぁー、今年も元気で頑張るぞ・・・・!!