うどん小話 その十三 ”うどん”と鉄釜
食べ物を調理するとき、水の良し悪しが大切なことは、皆様もよくご存じのことと思います。私達の身近にある食べ物のなかで、”うどん””こんにゃく””豆腐”などは、特に水の品質が大事です。
”うどん通”といわれる方々が原料(小麦粉)のことはよく言われるのですが、”水”のことを話される方はあまりいません。
◎豆腐・ゆで麺・こんにゃくの水分量
100g中の水分量について(栄養成分基礎表による)
- 豆腐: もめん 86.8%、 きぬごし 89.4%、 ソフト88.9%
- ゆで麺: 76.5%
- こんにゃく: 97.3%
これを見ても、いかに”水”が製品に吸収されているのかが、わかると思います。
そこで”うどん”を茹でるときには、鉄製の釜を使うのです。
鉄器を使うことにより鉄分が溶出するのです。食物の鉄分は、一般に3価の鉄が多く、体に吸収されにくく、鉄器から溶出される鉄は75~90%が2価で体に吸収されやすいのです。
そこで鉄器を使って調理すれば、鉄分を摂取しやすいということです。
お茶やコーヒーなども鉄器を使って沸かすと、水道水の塩素臭が取り除かれ大変おいしくなります。その上、貧血の予防や改善になるわけです。
また鉄器の釜には”湯あか”が付着し、湯の金気や赤錆を防ぎ、湯がすっきりと美味しくなるのです。
釜の形状は当然丸形のものです。湯の対流が良く、うどんが平均して茹であがるのですよ。
うどん屋でうどんを食べるとき、そのお店がどんな釜を使っているか、ちょっと調べてみましょう!!
”うどん屋は水屋なのです!!”