うどん小話 その百八十一 ひとり言
季節の移り変わりは早いもので、店の庭にあるヤブ椿が満開になりました。まず梅が咲き、椿が咲き、次は桜です。その桜の蕾が大きくふくらみを増し、もう明日にでも開こうかと我々に言っているようです。
小話もあと二十話となってしまいました。これまで夢中で書いてきましたので、少しさびしい気持がします。この小話を書き始めた頃は、今のような"うどんブーム"ではありませんでした。T・K(小話百六十二参照)さんが書いた「うどん本」が火付け役となり、東京へ"さぬきうどん"が進出し、現在のような状況になったのです。
他県の人から見ると香川県はうどん屋ばかりで、しかも毎日うどんばかり食べているのかとお思いでしょうが、ラーメンも日本ソバも、米もパンも食べていますので念の為・・・・。
今日は、うどんブームのことでチョット気になることがあるので書いてみます。
うどん屋の軒数ですが、一軒開店するとどこかで一軒閉店しますので、三十年前と現在とほぼ同数です。これから先も変わらないと思います。
うどんは噛まないで、飲み込むものだと言う人がいます。香川県人は、みんな飲み込む人ばかりかと全国の人に誤解されるといけませんので言っておきますが、飲み込む人の方が圧倒的に少数派です。喉越しのキレを楽しむのはビールだけにしてください。
うどん粉のことも良く話題になるのですが、国産物よりオーストラリア産の小麦の方が品質が良いことも知っていてください。
粉のことも大切なのですが、うどんは「水」です。以前の小話で書いたことがあるのですが、「水」の良し悪しで味が大きく左右されます。昔は水の良いところにうどん屋さんがあったものです。
なぜ「水」のことを書く"うどんの先生"がいないのか、不思議に思います。
まだまだ、ひとり言は続きます。