うどん小話 番外編 その九 恐怖(パート2)
いつの頃からこのような日本になったのでしょうか。うどん屋を開業した30数年前にはありませんでした。飽食の時代が悪いのか・・・・。躾に問題があるのか・・・・。
食べ物に対する畏敬の念が無くなったように思えてしかたがありません。食事の時、御飯が炊き上がればまず仏前にお供えし、お鈴を"チィーン"と鳴らし手を合わせます。その後で家族一同「いただきます」、終われば「ごちそうさまでした」と手を合わせていました。
もっとも今でも時々ですが、手を合わせるお客様の姿を見ることがあり、ホーッとした気持になることがあります。
「コイヘルペス」・「BSE」・「鳥インフルエンザ」と続けざまに起きる食のトラブル。この裏側には飽食・躾などの問題点が潜んでいるように思えてなりません。スーパーの特売で1円で売られているタマゴの不思議さ、産地のわからない切り身の魚、牛肉の偽装事件などなど・・・・。
牛には牛骨粉、鶏には鶏骨粉、そして犬には犬骨粉(ドッグフード)を飼料として与えています(「ファーストフードが世界を食いつくす」草思社1600円、「ファーストフードと狂牛病」草思社950円参照)。「生きる物」そして「食」に対する尊敬の思いがないから、このような飼育方法をするのです。
だいたい鶏のタマゴ1ヶが"1円”では産んでくれた鶏に失礼です。牛だって草を主食とする反芻動物(山羊、羊、へら鹿、鹿)のはずです。ちなみに反芻動物とは四つの胃を持っている動物のことで、特に第一胃は四つの胃全体の約80%以上あり、消化器全体の約半分を占めています。この第一胃には質の低い草のタンパク質を分解して、質の高い微生物体タンパク質に変換する働きを持つ微生物がいます。
全ての食べ物は神さまからの贈り物であることをもう一度思い出しましょう。二度と今回のような恐怖は味わいたくありません・・・・と言うことで、今日のページは終わります。
このページを書いた日に、京都府が「鳥インフルエンザ終息宣言」を出したことを付け加えておきます。