うどん小話 その十七 ”うどん”と亜熱帯モンスーン
もうまもなく梅雨の季節になります。日本の地形は亜熱帯モンスーン地帯に属しており、6月になると入梅です。
うどん小話その五で掲載しましたが、小麦の起源は中近東・パミール高原で、紀元前5~3世紀の縄文時代晩期から弥生時代初期にかけて、日本でも栽培され始めています。
また麦作は黄河文明、米作は長江文明といわれています。
五穀の中で秋に播き、冬を越して翌年の初夏に稔るのは麦だけであり、来年とは年を越して麦の稔る翌年のことをいうのです。(”来”とは麦のこと)
初夏に刈り取るのですが、日本ではその時期は入梅となり、長雨が続きますと、せっかく稔った麦の穂が腐ってしまい収穫出来ません。
元来日本は地形的に麦の栽培には向いていないのです。
現在でも小麦粉の品質はオーストラリア産の方が良いのです。
ただ、瀬戸内海地方は地形の関係で空梅雨があり小麦の栽培が出来たのです。奈良県の三輪ソーメン、小豆島のソーメン、兵庫県の竜野のソーメン、徳島県の半田ソーメンなど瀬戸内海地方で多くの麺文化が発達していきました。
菓子・パン類にはカナダ・アメリカ産、うどんにはオーストラリア産の小麦がいいようです。オーストラリアは南半球の緯度が日本と同じで、気候風土が似ている(四季がある)という点が小麦の栽培に適しているようです。
香川県産の小麦粉を使用するから「さぬきうどん」というのではありません!!