うどん小話 その二十三 ”かけうどん”
うどんとそばに、「かけうどん」とか「かけそば」のメニューがあります。
関東文化といわれる”そば”には”ぶっかけそば”などというメニューはありません。
なぜ、讃岐のうどんには”ぶっかけうどん”というメニューがあるのでしょう。
”ぶ”というのは「ぶんなぐる」とか「ぶっとばす」の”ぶ”(強意の接頭語)です。 けっして上品な言葉ではありません。
”かけ”は”かけ”でいいのです。なぜ”ぶ”を付けて、ことさら下品な言葉を使うのでしょう?
私がうどん店を経営して三十年になりますが、始めた当時は”ぶっかけうどん”などというものはありませんでした。
昔から「素うどん」とか「かやくうどん」(薬味を加える意味からきています。すなわち加薬)という名称があるのです。
当然、当店には”ぶっかけうどん”などありません。