うどん小話 その二十七 東京のうどん(そば)の”だし”は、なぜ黒い(パート2)
うどん小話その二十六で、東京のうどん(そば)のだしの色について書きましたが、もう少し詳しく説明します。
醤油は日本人の食生活に関わりの深い調味料です。日本における、大豆を原料とした醤油の起源は、鎌倉時代に紀州・湯浅の興国寺の僧が径山寺(きんざんじ)味噌の作り方を村人に教えていた時に、偶然出来たといわれています。
醤油の働きは旨味をつける、味を強くする、香りをつける、生臭みを消す、味をまろやかにする、風味を引き立てる、色をつける、と実にいろいろな効果があります。
この中で一番の特徴が旨味です。そして旨味成分の中でも日本人好みのグルタミン酸が強いのです。
また醤油の大切な要素は色です。特有の赤みがかった色は、熟成中に生まれるもので、ソヤメラニン酸という醤油独特の色素です。人間は赤や褐色の色をおいしい色と感じる性質がありますから、醤油で色づけすることは、おいしさに一役かっていることになります。
以上書いたことでおわかりと思いますが、醤油の色が黒いからといって、けっして辛いものではありません。
その地方の風習、環境、習慣、などなどで食文化は変わるものだと思います。