うどん小話 その三十 うどんはSM(パート2)
うどん小話その二十九で、麦の性質を書きましたが、なぜ手打うどんと言うかについて述べてみます。
うどん玉(生地)を延ばしている現場を見たことがある方は、御存知だろうと思いますが、2kgの生地をまず足で踏み、
直径30~40cm位の丸形にし、それから樫の木で作っている麺棒を巻きつけてのばしていくのですが、その時、手延べとは言いません。手打と言います。
上手な人がうどんを作るときは、まさしく打っているのです。麺棒に巻きつけたうどんの生地をトントンと打ち台にたたきつけて、手首を上手に使い麺をのばしていきます。
手打ラーメン(高松市内三越の隣にある手打ラーメン、木蘭)の実演を見たことがある方は御存知と思いますが、ラーメンの生地を打ち台にドンドンと打ちつけながら細くのばしていきます。原理は手打うどんといっしょです。
ちなみに、ラーメンを漢字で書くと”拉面”(中国では”麺”とは書きません)となります。”拉”は「ラー」と発音し、のばすという意味で、”面”は小麦で作った製品のことです。すなわち、ラーメンとは小麦粉をのばした食べ物のことで、本場中国からみますと、ラーメンもうどんも同じ食べ物です。
やっぱり小麦はSM、打たれれば打たれるほど喜ぶのです。