トップページ » うどん小話 » 第二巻 目次(21~40) » その三十二 母親は辛い

うどん小話

  • 第一巻目次(1~20)
  • 第二巻目次(21~40)
  • 第三巻目次(41~60)
  • 第四巻目次(61~80)
  • 第五巻目次(81~100)
  • 第六巻目次(101~120)
  • 第七巻目次(121~140)
  • 第八巻目次(141~160)
  • 第九巻目次(161~180)
  • 第十巻目次(181~200)
  • 番外編目次(1~)

うどん小話 その三十二 母親は辛い

”うどん三兄弟”のところで書きましたが、父親が小麦粉、母親が塩水です。その塩水について書きます。

海水の濃度は5度ぐらいです。我々うどん屋が、うどん製造のとき使う塩水の濃度は10度ぐらいで、海水の約2倍です。

我々は濃度計がありますからわかるわけですが、家庭でうどんを作るときは、生たまごが1個あればいいのです。

まず水の中に塩を入れ、その中に生たまごをいれます。濃度があがってきますと、たまごが浮き上がってきます。 容器の中で中間ぐらいまで浮き始めますと、ちょうどいい濃度になっているというわけです。

それを目安にして塩水を作ればいいのです。ただ、打ち込みうどんの場合は、濃度の低い塩水がいいと思います。

生地の硬さは自分の耳たぶをつまんでください。その耳たぶと同じような硬さでであればいいでしょう。

一年中同じうどんは出来ません。気温・湿度、その他の気象状況で、全く同じものは出来ないのです。 それを手打の技術と、釜から上げるタイミングでコントロールするのです。

釜から上げるとき、そのたびそのたびに麺の状態を指先の感触で判断して網ですくっていくのです。 後は、冷水に入れて、玉を取り、うどん玉となっていきます。

小麦粉と塩水だけの簡単な製法ですが、簡単なものほど、同じ物が出来ません。

このページのトップへ戻る