うどん小話 その五十三 唐菓子(からくだもの)
平成12年10月末の某ラジオ局の女性アナウンサーが、さぬきうどんの元祖は砂糖の入ったお菓子であった・・・・・・・と、言ったことがありました。
ラジオ放送は数万人、数十万人の人達が聞いているのです。もっと責任をある意見を言って欲しいものです。
そこでもう一度、麺の伝来を調べてみることにしました。
第十四回遣唐使の一人として渡唐し、長安(現:西安)で学んだ空海が日本に伝えた唐菓子(からくだもの)が麺の元祖とする説もあります・・・・・・・が。
”唐菓子”と書いて”からくだもの”と発音します。
某女性アナウンサーは菓子の漢字のイメージから砂糖の入ったお菓子と思ったのでしょう。
私の想像ですが、女性アナウンサーはこの漢字の発音を知らなかったのだと思います。知っていたなら、ごめんなさい!!
唐菓子は米粉、または小麦粉などにあまずら(甘葛)を加え、油で揚げた食べ物です。
「あまずらとは、今のアマチャヅルに当たるといわれる葛(つた)の一種で、そのツタを冬に切り、滴下する液を集めて濃縮し甘味料としたもの」
当時(618~907年)、砂糖、食油も大変貴重な物でした。庶民の手に届く物ではありません。
日本では、大化の改新、法隆寺創建、鑑真が来朝、奈良大仏、万葉集の時代です。
まったく現在の麺とは別の物です。
砂糖の話はまた別のページに掲載します。
七味唐辛子の話しが終わったので、次は葱(ねぎ)の話しをしようかと思っていたのですが、麺のルーツをもう一度調べて、次回からしばらく連載しようと思います。