うどん小話 その六十二 年越うどん
麺(うどん)のルーツを小話六十で終わりとし、次は薬味の"ネギ"について書こうと準備していたのですが、
12月です・・・・。忘年会のシーズンに入ってしまいました。
うどん店の方も"うどんすき"の予約が入り、忙しい時期となりました。
それに私自身の忘年会がもっと忙しくなり、大晦日まで来てしまいました。
その上"門松ドロボー"です。びっくりしたのと同時にがっかりしました・・・・が、
家族・社員一同が元気で年を越せそうです。
そこで今回は"年越うどん"の話です。
年越うどん(ソバ)は日本だけだと思っていましたが、この風習がチベットにもあるのです。
チベットでは年末の29日に小麦粉を水で練り、小さく丸めたうどんというより団子状のすいとん(うどんの原形、小話その五十六をご覧ください)を肉・大根・黒豆・チーズ・小麦・大麦・さや豆などと一緒に煮て、新しい年が来るのを楽しみにして家族一同で食べるのです。
この"年越うどん"を「グトゥク」といいます。(渡辺一枝著・わたしのチベット紀行)
チベットでは、今の日本になくなりつつある年末・正月の風習がいっぱい残っています。
ヒマラヤ山脈にあるチベットと、アジアの極東でしかも海に囲まれた日本とになぜか同じ風習があり、しかも顔つきまでよく似ています。うどん、ソバが日本に伝来したとき、年末に年越うどん(ソバ)を食べる風習もいっしょに伝播されたのでしょうか・・・・?
当店で開店当初3年間位、"年越そば"を出したことがあるのですが、ほとんど売れませんでした。
今日(平成12年12月31日)まで営業したのですが、"年越うどん"を食べに来ていただいたお客様で忙しい一日でした。
一年間ありがとうございました。来年もよい年でありますように。
讃岐はやっぱり"年越うどん"