うどん小話 その八十二 生姜(パート2)
"しょうが"の種類としては、(1)根しょうが、(2)谷中しょうが、(3)矢しょうが、などがあり、我々うどん店が使用するのは、(1)根しょうがです。
この"根しょうが"の皮をむき、おろし金ですりおろすのです。最近は自動式のすりおろし器がありますが、これはダメです。(ネギも自動式がありますが、これもダメ。)
やはり、手打うどんの店ですから、全てを手作りでやりたいものです。手ですりおろすことにより、おいしく食べていただくという気持ちが伝わるのです。
"根しょうが"の収穫期は10月~11月で、地上部が枯れ始めてきた頃、根茎を掘り起こし、茎を切り取って出荷します。この時期に店先に並ぶものを、"新しょうが"といいます。
昔は土の中に埋め、藁でおおうなどの工夫をして貯蔵していましたが、最近では、常時適温に保つ貯蔵庫がありますから、年間を通じて品質が良くなっています。
もともと"しょうが"は、熱帯性の作物ですから、温度が高いと芽が出ますし、低いと腐敗するなどやっかいなものです。家庭で使うときも冷蔵庫にいれておきますと、傷みが早くなりますので気を付けてください。14℃前後の温度が適温です。(サツマイモもこの温度で保存します。)
"(2)谷中しょうが"と"(3)矢しょうが"は、日本料理とかうなぎの蒲焼きなどの、彩りや風味を添えるものとして使われています。
"しょうが"のことを"波志加美(ハジカミ)"というのは、根の端が赤いので"端赤み(はしあかみ)"から転じたともいわれています。
次回からは薬としての役割をしばらく連載してまいります。