うどん小話 その八十九 謎(パート1)
江戸時代に考案されたという「にぎり鮨」のことを前ページで書きましたが、この「にぎり鮨」には"ワサビ"がはさみ込まれています。
「巻き寿司」は関西、「にぎり鮨」は関東が発祥地といわれています。ちなみに、「にぎり鮨」のことを「江戸前鮨」ともいいますが、それは江戸湾で獲れたネタ類を使っているからです。
この江戸前鮨に"ワサビ"が使われているのですが、"ざるソバ"には"ワサビ"という謎(その1)が隠されているような気がします・・・・。
結論はもっと先にしまして、今日は"ワサビ"の栽培の始まりについて書きます。
慶長時代(1596~1615年)に、静岡県の阿部川上流の有東木(うとぎ)という村で、村人が自生の"ワサビ"を採り、井戸頭という湧き水に試験栽培したところ、これが意外によく育ったので、村人たちは村内のあちこちの谷川の水を引いて栽培するようになったと言われています。
その頃、駿府城で隠居生活をしていた徳川家康のもとに、有東木の庄屋から"ワサビ"が献上されました。家康はその"ワサビ"の何ともいえない風味を絶賛し、"ワサビ"の大ファンになったそうです。
このように"ワサビ"は関東地方を中心にして広がっていったことがわかります。この関東地方中心ということも謎(その2)が潜んでいるようです。
少し話が長くなってきましたので、二話に分けて書きます。
謎(その3)以降は、次ページにします。