うどん小話 その九十八 ゴマ(パート2)
今回は「ゴマの話いろいろ」というテーマで書いてみます。
ゴマはゴマ科の一年草で世界中で約3,000種類が栽培されています。
主なものは、黒・白・茶・金・黄色と皮の色で分類されるだけで栄養分はほとんど同じ。世界のゴマ生産総量は約260万トン、トップ4はインド・中国・ミャンマー・スーダンの4カ国で世界の約66%を生産、1999年に日本は約13.5万トンを輸入し、世界最大のゴマ輸入国になっています。
ゴマの使われ方ですが、国によって用途も様々で、日本・韓国・中国・台湾など東南アジアの国々は、焙煎したゴマの香りを好み、ゴマ油・いりゴマ・すりゴマなどに、ミャンマーではクッキンギオイルとして、インドでは体に塗るマッサージオイルとして使われています。また中東では、練りゴマ・ゴマ菓子などの原料に、欧米では皮むきゴマ・白ゴマがハンバーガーなどのトッピング(ふりかけ)として用いられています。
日本におけるゴマの生産は、1950年以降減り始め、商品として取引されている国産ゴマはほとんど無くなりました。
現在販売されているゴマ油・ゴマ商品の原料は、ほぼ全量輸入品に依存しています。
我々うどん店が使用しているゴマは、黒ゴマか白ゴマなのですが、黒ゴマは油脂分が白ゴマより少なく、香りが強く関東地方で多く使われています。関西地方(讃岐も含む)は、淡口のだしの色に合わせているのでしょうか白ゴマが多く使われます。
ゴマの色によって関東と関西の違い、すなわち"ソバ文化"と"うどん文化"の差異がわかります。
ここにもフォッサ・マグナの影響が出ているように思います。いずれ機会をみてフォッサ・マグナについては詳しく書きます。
皆様も、小さい小さいゴマの粒ですが、"うどん"を食べる時にはよく観察して"色"を見てください。
ゴマは色・色