うどん小話 その百四十 かしわうどんの恩人
ワールドカップもベスト8の国々が出そろいました。日本チームは残念ながら敗けましたが、韓国は勝っています。
韓国(ソウル市)からうどんの修業に来ている張(チャン)さん、それはもう大変な喜びようです。ポルトガル戦に勝った時など、翌朝は二日酔いの状態でした。イタリアに勝った時もたぶん二日酔いであったのでしょうが、顔には出さず、うどんを打っていました。
来日して3ヶ月になるのですが、性格の良さ、目的意識の高さからでしょうか、もう手打うどんの技術は習得しました。ただ昼時の繁忙時にはまだ間に合いません。もう少しの努力です・・・・。
さて"かしわうどん"の恩人の話ですが、小話百三十一、百三十二で"かしわ"の謎にせまってみました。いくら謎にせまってみても"かしわうどん"が売れなければ何にもなりません。
当店のもっとも古いお客様の一人であるA社(高松市内にある、IT産業の上場会社)のO社長のおかげで売れ始めたのでした。本社にいる時は、必ず昼食時に来店いただき"かしわうどん"を注文してくれます。それも1年や2年の期間ではありませんでした。
そうしますと、一緒に来た社員の方々も"かしわうどん"の注文。A社と取引のある会社の方々も"かしわうどん"。
注文をお聞きして、唐揚げにしますから少々時間がかかるのですが、それでも皆さん待ってくれるのです。
これを見た他のお客様が、これは絶対に美味しいものに違いないと思い、後日来店のおり"かしわうどん"の注文です。このようにしてA社の皆様のおかげで名物メニューの一つとなりました。
張(チャン)さんもO社長とすっかりなじみになり、ワールドカップの話に花が咲いています。もっとも私も"にわかサッカーファン"になっています。こんなわけでO社長が食事を終え店を出るときは心の中で"柏手(かしわで)"を打ち感謝をしています。
O社長、最近はN部長の影響でしょうか、カレーうどんの注文が多くなりました。
N部長、バンコク通です。カレーの香辛料の臭いがバンコクの夜を思い出させているのでしょうか・・・・。