うどん小話 その百四十五 箸(パート2)
箸はうどん・ソバにとって特になくてはならない食事道具の一つです。
中央アジアで麺文化が起り、それが"西"ではイタリアのパスタ文化となり、"東"では日本のうどん・ソバ文化となったことは、小話百三十九で書きました。ところが、インドでは麺文化が発達しなかった。宗教上の制約があったからでしょうか、箸・フォーク類が無かったのです。(小話百三十九参照)。
熱々の麺を素手でつかむ場面を想像してみてください。いかにバラモン教の行者でも無理・・・・!!
そこで今日は日本における箸の起源について書いてみます。
弥生時代に中国から伝わってきたのですが、現代のような箸の形ではなく、一本の竹を削り中央部を折り曲げたピンセット状のものでした。祭器として使用していたらしい。なお、一般の人々は手づかみの食事でした。
飛鳥時代になると、聖徳太子によって"箸"と"さじ"を使って食べる中国式の食事方法が取り入れられ、貴族達が普段の食事でも箸を使うようになりました。奈良時代になりますと、竹や木を削った箸を一般の人々も使うようになります。
鎌倉時代では、箸だけを使って食べる日本独自の食事の形が出来ました。室町時代は、箸で食べやすく作った日本料理の原型ができ、箸使いの作法が発達してきます。
江戸時代には塗箸が登場し、飲食店の流行でさらに箸が広がって行き、現代まで続いています。
以上簡単に箸の変遷について書いてみました。
次のページは、箸と日本文化について書いてみます。