うどん小話 その百四十七 箸(パート4)
室町時代に日本料理の原形が出来、箸の使い方の作法が発達したことは小話百四十五で書きました。そこで今日は箸の作法について調べてみました。我々子供時代(50年前頃)の躾は厳しかった。食事の前には正座し、手を合わせて「いただきます。」、食後は「ごちそうさまでした。」と必ず言わされていました。肘を食卓につけない、食事中はむやみにしゃべらない、食べるときに音を立てない、など細かい作法や禁忌もありました。箸使いも厳しかった。食事のマナーというよりも民族のもつ精神性や神仏に対する畏れが背景にあったような気がします。
では、どんな箸使いがタブーなのか例を上げてみます。
まだまだあるのですが・・・・。このように箸がいかに私たち日本人にとって身近な存在であり、かつ神聖視されていたかわかります。自分で書きながら、反省させられる使い方がいっぱいあり"はずかしい・・・・!!"「迷い箸」 どれを食べようかあれこれ箸で指すこと。
「移り箸」 一つの物をとりかけて他の物と取り替えること。
「探り箸」 つゆなどをかき回して中身を探すこと。
「ひき箸」 茶碗の縁に口をあてがい、箸でかき込んで食べること。
「寄せ箸」 箸で食器を寄せたり引いたりすること。
「刺し箸」 箸で突き刺すこと。
「横箸」 二本を揃えてスプーンのように使うこと。
「涙箸」 箸先から汁をポタポタたらすこと。
「こみ箸」 口に食べ物をいっぱい詰めて箸で押し込むこと。
「ねぶり箸」 箸先をなめること。
「指し箸」 箸を持って物を指すこと。
次のページは箸の種類について書いてみます。