うどん小話 その百六十二 不思議な国"讃岐"
古事記・神代篇でイザナギ、イザナミの二人がうまく事を運び、イザナギが先に「あぁ、なんとすばらしいオトメよ」と言い、後にイザナミが「あぁ、なんて素敵な殿がたよ」と応え、結ぶ合われてお生みになった子が「アハヂノホノサワケ」の島で、次に「イヨノフタナ」の島でした。次に「オキノミツゴ」の島を生み、次に「ツクシ」の島をお生みになったとあります。
まだまだ次々とお生みになるのですが、とりあえずこの辺で置きます。この「アハヂノホノサワケ」の島とは淡路島のことで、「イヨノフタナ」は現在の四国全体を指す呼称です。
この「イヨノフタナ」の島は、体は一つでありながら四つの面(おも)があり、面ごとに名があって、伊予の国は「エヒメ」と言い、讃岐の国は「イヒヨリヒコ」と言い、粟(あわ)の国は「オホゲツヒメ」と言い、土左の国は「タケヨリヒコ」と言うとあります。
この古事記の中で書かれていることを見ても、讃岐の国は日本の中で古く歴史のある国であることがおわかりでしょう。でも、なぜ淡路島と四国が一番目と二番目なのでしょう・・・・?。不思議です。
現代では、"うどん"のことを書けば先生になれる不思議な国"讃岐"です。今は第三次うどんブームであると小話百五十七で書きましたが、十年ごとにうどんの先生が現れます。三十年前は山田竹系さん(故人)、二十年前はS・Mさん、現在はT・Kさん。T・Kさんはうどんの本で大学の先生(教授ではありません)になりました。なんとも不思議な国です。
そのうえ不思議なうどんもいっぱい出現してきます。まったく神代の話みたいです。でも、いいか・・・・、うどん屋がおいしい物を作り、日本中にうどんの情報を発信して讃岐が有名になるのであれば、「イヨノフタナ」をお生みになったイザナギとイザナミの神々がお喜びになることだから・・・・。
話のついでに書きますが、「オキノミツゴ」の島とは隠岐島のことで、「ツクシ」の島は、今の九州全体を指す呼称です。