うどん小話 その百七十 クエ
今日は、うどん屋と土建屋がクエ料理をした話をいたします。
昨日、高松市内のA料理屋(小話百十四に登場)さんから電話がありました。クエの頭の骨が硬く、魚市場で捌く人がいないので何とかならないか・・・・、との相談でした。
一口にクエの頭といっても6kgもあるシロ物です。全重量は27kgの、高知沖でとれた天然物。頭から下の部分は魚市場で解体し、頭だけがどうにもならず思案していたらしい。私が以前にイノシシの料理をしたと主人に話していましたので、そのことを思いだし電話をかけてきたのです。
しかし、電動ノコギリがなければどうしようもありません。早速、K先生(空手の先生)に連絡をとり、「時間」と「電動ノコギリ」の都合を取り付けました。
K先生、本業は土木建設なので電動ノコギリの扱いは手慣れたものです。A料理屋さんに可能との電話をいれました。
夕方4時過ぎ、天野峠のうどん屋に6kgのクエの頭が到着です。鯛とかハマチの頭は何度も料理していますから方法は知っているのですが、なにせ骨が硬く電動ノコギリが必要になります。魚市場のプロができないことを、素人のうどん屋と土建屋がやるものですから少々時間はかかりましたが、無事解体成功。
香川県は瀬戸内海の小魚料理の文化は発達しているのですが、クエのような大型魚は入荷が少なく、料理が出来る板前さんも多くはいないように思います。こんな魚文化のなかでよくぞ27kgもあるクエを入手し、御得意様に食べていただきたいというこの心意気が素晴らしい。
当然、その夜はA料理屋でK先生ともどもクエ鍋です。外は小雪が舞い、絶好の鍋料理の場面でした。
味の話は次のページでいたします。なんといっても鍋料理の王様はクエ。