うどん小話 その百七十三 ため池文化(パート2)
讃岐といえばうどん、うどんといえば讃岐と、すっかり有名になってしまいました。が、けっして香川県はうどんだけではありません。
瀬戸の繊細な「小魚文化」、フナ料理・どじょう汁の心なごむ「ため池文化」、サンマ漁・サケマス漁にみられる遠洋漁業の「先駆冒険精神」と多面性を持つ不思議な県民です。なんといっても空海(弘法大師)を生んだ国ですから・・・・。
前ページで讃岐富士のことを書きましたが、実は県内には「讃岐七富士」があるのです。香川県人でも知る人が少なくなってきましたので、小話に書いてみます。
江甫山(つくもさん、有明富士)・爺神山(とかみやま、高瀬富士)・飯野山(いいのやま、讃岐富士)・堤山(つゝまやま、羽床富士)・高鉢山(たかはちやま、綾上富士)・六ッ目山(むつめやま、御厩富士)・白山(しらやま、東讃富士)と以上七ツの富士の山があります。どの山もお椀をひっくり返したようなおだやかな稜線をえがいているのが特徴です。
一方、ため池の数ですが2万とも3万とも言われているのですが、"ため池という定義"による「堤高5m以上のもの。又貯水量が5千立法メートル以上のもの」としてみると、県内では約16,300ヶ所あるようです。このため池から無数の井手が水田に網の目のように走っています。
こんなにため池と井手があるのですから"フナ"も"どじょう"も繁殖するはずです。これらの魚を美味しく食べる文化が発達するのは当然のことでしょう。
近年、生息環境がわるくなったのか"フナ"にも"どじょう"にもお目にかからなくなったのが残念です。
もっと自然を子供たちに残してやればいゝのに・・・・。