うどん小話 その百八十 チャボと孔雀(最終版)
今日は孔雀が空海と不動明王とに深く結びついていることを話してみます。
仏教はインドのシャカ族の王子(ゴータマ・シッダールタ、紀元前565~484)が開いたことは良く知られています。仏陀・如来などと呼ばれていますが、漢語では釈迦牟尼世尊(しゃかむにせそん、略して釈尊)が正式な呼び名です。初期仏教はヒンドゥー教の影響を受けながら、数多くの教典を編さんしていきます。そのうちのかなりのものがシルクロードを経て中国へ伝わり、漢訳されました(小話百三十六~百三十九参照)。
隋や唐の時代には一大勢力に成長していきます。唐の時代に日本から遣唐使船で中国に派遣された学僧のなかに空海と最澄がいました。空海は長安で真言宗(密教)を学び、青龍寺法主である恵果の唯一の後継者となり帰国。その後、高野山に金剛峯寺を開き、真言宗の開祖となりました。真言密教はヒンドゥー教化した仏教で、「大日経」が主要な教典です。この「大日経」の教えのなかに、不動明王などの五つの明王が現れます。そのうちの一つが、孔雀の形をした孔雀明王です。
もともと孔雀は悪食(あくじき)で、なんでも食いつくします。インドでは毒蛇を食べることから神格化された女性神で、仏教では除難や雨乞いなどで信仰されてきました。どの明王も火焔を背にし、この炎で人間の煩悩を焼きつくしてくれるのです。この"焼きつくす"と"食いつくす"とが結ぶつき、孔雀が明王となったのです。
ちなみに五大明王とは「不動明王」・「愛染明王」・「孔雀明王」・「烏枢沙摩明王」・「降三世明王」です。まだまだ日本には明王さまはいるのですが、小話なので割愛します。
これで孔雀と空海と明王との結び付きがおわかりいただけたでしょうか。「チャボと孔雀」の話が少々長くなりましたが、このページで終わりとします。
私が飼っている孔雀はなんでも食べるのか・・・・?。当然、讃岐手打うどんが一番好きです。